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【実はシンプル】一人当たりの相続税
計算内容は小3算数【例題付】

こんにちは!相続税理士の天尾です。('ω')

今回のテーマは『相続税の計算方法』。

 

自分で計算出来れば費用はゼロ!

知っておいて損はないでしょう。


「相続税をの計算って、難しそう」

「優しめの解説を希望します」
 

こんな方にお役に立てる内容となっております。

 

相続税の計算手順は、最大『6ステップ』。

一つ一つの計算は、特別難しいものはありません。

 

肩の力を抜き、リラックスモードで読んでみて下さい。

【相続税の計算方法】ステップ順にかんたん解説

計算手順は最大⑥STEP。

遺産の分け方に合わせチェックしてみましょう。

 

  • 法定相続分】で遺産分け: STEP①~⑤
  • 遺言書や話し合い】で遺産分け: STEP①~⑥

 

どちらで計算すれば分からない人は、【法定相続分】で計算してみましょう。

◆・この記事を読む前に・◆

 

 

◆:基礎的な知識を付けたい人におすすめな内容です
◆:血族の相続人向けの内容です
◆:特例や控除制度についての解説はしていません

STEP①【相続人】

 

相続税の金額は、相続人ごとで違います。

つまり、誰が財産を貰うのかがハッキリしなければ、計算結果も変わってきてしまうのです。

 

土台となる重要な部分ですので、しっかり確認しておきましょう。

なお、相続人の決定方法については、以下サイトの記事がおすすめです。

 

STEP②【プラスの遺産額】

 

負債や相続税の対象外となるものがあれば、プラス財産から引きます。

代表的な具体例は、以下のとおり。

 

なお、相続税の【対象外】については以下記事で解説しています。

ぜひ一緒にチェックしてみましょう。


◆:【プラス】財産
  • 現金
  • 預貯金
  • 株式
  • 土地
  • 非課税部分を超えた生命保険金

◆:【マイナス】財産
  • 故人の負債
  • 故人の未払い金

◆:【対象外】財産
  • 葬式費用
  • 非課税部分の生保保険金

STEP③【相続税の対象金額】

 

すべての【プラス遺産額】に、相続税がかかるわけではありません。

【基礎控除額】を引き、残った部分にだけ課税されます。

 

基礎控除額の計算方法は以下のとおり。

◆・相続税の基礎控除額・◆

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

 

なお、遺産額が基礎控除額より少なく、引いた値が『0』の時は非課税。

相続税がかからないため、申告や納付は不要です。

STEP④【法定相続分】

 

『法定相続分』とは、民法で決められた遺産分割の割合。

相続人の組み合わせで割合が変化します。

 

簡単にまとめたものが、以下一覧。

組み合わせを見て、割合をチェックしましょう。

◆・【法定相続分】一覧・◆
  配偶者 ほか相続人
1人 複数
【配偶者のみ】 1 - -
【配偶者&子】 1/2 1/2 1/2÷人数
【配偶者&親】 2/3 1/3 1/3÷人数
【配偶者&兄弟姉妹】 3/4 1/4 1/4÷人数
【配偶者なし】 - 1 1÷人数

お役立ちmemo

◆・相続人がすでに死亡している時・◆

 

相続権が自動的に移行。

元々の相続人の代わりとして相続できます。

法定相続分は、元の相続人と同じです。

 

◆・【子】がすでに死亡している時・◆

 

【孫】が相続人。

孫が死亡している時は、生存している【ひ孫以降の人】にぶつかるまで相続権が移行します。

◆・【親】がすでに死亡している時・◆

 

【両親】が死亡している場合は、【祖父母】が相続人。

さらに【祖父母全員】が死亡している場合は、【曾祖父母以降の人】が相続人。

 

父方・母方双方の世代が対象となります。

『世代単位』で相続権が移動し、1人でも生存していればその後の世代には移りません。

◆・【兄弟姉妹】がすでに死亡している時・◆

 

【甥・姪】が相続人。

甥・姪以降への相続権移行はありません。

STEP⑤【一人あたりの相続税その1】

 

相続人別に、それぞれ分けて金額を出しましょう。

計算式は以下のとおり。

 

 

◆・計算式・◆
◆・【税率】&【控除額】・◆
  【税率】 【控除額】
~1,000万円 10% -
~3,000万円 15% 50万円
~5,000万円 20% 200万円
~1億円 30% 700万円
~2億円 40% 1,700万円
~3億円 45% 2,700万円
~6億円 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

配偶者は特例により、1億6,000万円までは相続税ゼロ
 

 

法定相続分で計算したい人はここで終了。


STEP⑥【一人あたりの相続税その2】

 

実際に相続した割合を、法定相続分で計算しものに反映させます。

計算式は以下のとおり。

 

◆・計算式・◆

相続税の合計額STEP⑤【一人あたりの相続税】を全員分足す) ×【実際の相続割合

 

実際の相続割合

【相続した金額】÷ STEP②【プラスの遺産額】

『○%』や『○割』のような分け方の場合はそのまま計算に使用)


配偶者は特例により、1億6,000万円までは相続税ゼロ
 

【例題】実践トレーニングで基礎マスター

亡くなった人
オット
 
相続人
【ツマエ】(オットの妻)
【アマ太】(オットの子)
【アマ子】(オットの子)
 
財産
【プラスの遺産】1億5,800万円
【負債】700万円
【葬儀費用】300万円
相続割合
遺言書の指定どおり
 
遺言内容
【ツマエ】遺産の半分(50%)
【アマ太】遺産の30%
【アマ子】遺産の20%
 

ステップ1【相続人】

上記条件より、相続人は以下3人。

  • ツマエ(配偶者)
  • アマ太(子)
  • アマ子(子)

ステップ2【プラスの遺産額】

1億5,800万円 - 700万円 - 300万円

= 1億4,800万円

 

ステップ3【相続税の対象金額】

基礎控除額
3,000万円 + 600万円 × 3人

= 
4,800万円
 
相続税の対象金額

1億4,800万円 - 4,800万円


= 1億円

 

ステップ4【法定相続分】

ツマエ

1/2

アマ太

1/4(1/2 ÷ 2人)

アマ子

1/4(1/2 ÷ 2人)
 


ステップ5【一人当たりの相続税その1】

ツマエ

① 1億円 × 1/2 = 5,000万円

② 
5,000万円 × 20% - 200万円  = 800万円
 

アマ太

① 1億円 × 1/4 = 2,500万円

② 
2,500万円 × 15% - 50万円 = 325万円
 

アマ子

① 1億円 × 1/4 = 2,500万円

② 
2,500万円 × 15% - 50万円 = 325万円
 


ステップ6【一人当たりの相続税その2】

① 800万円 + 325万円 + 325万円 = 1,450万円

② 相続割合を反映

ツマエ

1,450万円 × 50% = 725万円 < 1億6,000万円

アマ太

1,450万円 × 30% = 435万円

アマ子

1,450万円 × 20% = 290万円

【ツマエ】0円、【アマ太】435万円、【アマ子】290万円

【最後に】この記事のまとめ

相続税は皆さん個人で計算することが可能。

目安金額を把握することができ、事前準備としてもおすすめです。

習得しておいて損をすることは無いでしょう。

 

しかし実際は、複雑な条件が絡みなかなか困難。

計算方法は分かっていても、そもそも明確な遺産額を出せない場合もあるでしょう。

申告ミスやモレの原因となり、ペナルティのリスクも伴ってしまいます。

 

不安な方や悩みがある方は一度、『相続専門』の税理士へ相談してみましょう。

報酬は発生しますが、結果的に得をするケースも多くあります。

 

後悔しない相続達成のため、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

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