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今回のテーマは児童手当。児童手当は2021年度から改正予定でもらえなくなるかもしれないという、このお話についてご説明していきたいと思います。
前半は児童手当の概要を説明して、後半は改正予定についてお話をしますので、「概要は分かってますよ」という人は後半の改正予定、もらえなくなるのか、もらえなくなるのはどういう人が対象なのか、というところを確認していただきたいと思います。
このページと同じ内容を下記の動画でもお話ししています。
では早速、児童手当とはそもそもど何ぞや、というお話を軽くします。児童手当というのは大昔からあるんですけども、今の制度に変わったのは平成24年。民主党政権のときの「子ども手当」というのから名前が変わって、ずっと続いています。
これはどういうものかと言うと、0~3歳未満の人は1万5000円、3歳を越えて15歳の3月、イメージすると中学生ですね、中学校を卒業するまで1万円もらえるというのが児童手当です。
中学校卒業までもらえるということで、約200万円もらえると言われています。「約」というのはですね、15歳になってから迎える初めての3月31日までもらえるので、3月までとして、4月生まれの人だと約1年分多くもらえるので、12万円変わってくる。だから「約」ということで、200万円を超える人もいれば超えない人もいます。
これが基本です。これについては年収の制限とかお子さんの人数によっても若干変わってきます。
今お話しした内容というのは、原則としてお子さん1人目と2人目。3人目以降になると、もらえる金額が少し増えるようになっていまして、3人目の人は小学校卒業まで1万5000円、そこから15歳の3月までが1万円という風になっています。
これは子育てを支援するための制度なんですけども、あまり知られていません。年末調整のお話でも申告書の下の方の欄に書くところがあったことが、当ページをお読みのみなさんはピンと来ていると思います。
児童手当ができたために、申告書の下の方に書いてある「16歳未満」の子どもは扶養家族・扶養控除に入らなくなったんです。児童手当が月額1万円だとすると年間12万円もらえます。月額1万5000円だと18万円です。
扶養控除は年間38万円。38万円分の税金がなくなるのではなく、税金の対象から38万円が省かれるので、実際は38万円の現金をもらえる訳ではないです。児童手当の方が現金としてもらえるので得だというので、児童手当の制度が始まるのとセットで16歳未満が扶養控除から外れました。
今もあるのが所得制限です。これも確定申告・年末調整のときに何度もお話ししていますけども、収入と所得は違います。収入はいわゆる額面だと思ってください。所得というと額面から給与控除というものを引いた金額です。
分からない人は年末調整の動画『令和2年、年末調整の書き方パーフェクトガイド!!!』をごらんください。
児童手当には所得制限というのがあります。「たくさん稼いでいる人は子ども手当を少なくしましょう」ということで現時点では一律5000円となっています。期間とかお子さんの人数に関係なく、所得が一定の金額以上の人は一律5000円です。
だから、所得制限がない人は200万円もらえるのに対して、月額5000円の人は約90万円ということで、110万円の差が出てくるという風に現状ではなっています。これも対象になっている人が少ないかもしれないんですが、対象になっている人の気持ちを考えると「がんばってお金を稼いだのになぜ……」。
当然、所得によって税金も増えますよね。所得税とかたくさん払っている、子ども手当も減らされると、対象になっている人はそういうお気持ちだと思います。これが今の予定だと来年度からさらに厳しく、もらえる人が減ります。
今は「一定の所得」という言い方をしますが、この「一定の所得」というのは世帯主、もしくは配偶者のどちらかですね。所得が多い方のどちらかを対象としているんですけども、2020年の改正以降は世帯合算にするという話になっています。
今は実際、どういう計算をしているのかというお話をしますね。数字を入れて話をしていきます。現時点では扶養しているお子さんが1人の場合、所得が660万円。これを収入に変えると875万6000円。
これを超える場合は、3歳未満1万5000円・15歳の3月まで1万円というのが、一律5000円に変わります。これが所得制限です。これは世帯主、もしくは配偶者のどちらかですね。
これを見ると、1人で875万6000円の給与をもらっているので、それなりの富裕層・中間層かもしれません。これを来年以降は世帯合算でやりますよと言うのが菅さん。
世帯合算ということは、単純に875万6000円を÷2すると430万円と少しです。だから、世帯主も配偶者も両方が440万円以上稼いでしまうと、所得制限にかかってしまいます。なおかつ今言っているのは、所得制限の場合の一律5000円をやめましょうということです。
たとえば、世帯主のお給料が月30万円として年間360万円+ボーナス4カ月分ぐらいもらうとしたら、480万円。今の日本は結構、出産年齢が上がってきているので、40代で0歳~3歳とか15歳までのお子さんがいるので、この周辺の年収の人は結構多いです。こういう人は現時点ではもらえる対象になっているので、約200万円もらえます。
というのが、配偶者も同じように産休が終わって働いて、所得が480万円でした。今は女性が産休に入って戻っても結構もと通りにもらえることがあります。これでいくと合算で960万円です。
ということは、875万6000円と比べて960万円の方が多いので、今まで200万円もらえていたのが、一律の5000円どころか、それさえもらえなくなる。
という制度改革を今、しようとしています。
これをすることによって、政府の試算では900億円の予算が浮く。900億円の予算が浮くということは、子育て世代・児童手当をもらっている人が900億円もらえなくなるということです。浮いた900億円を何に使いますか、と菅さんが答えるには「待機児童の対策にまわします」、「保育園を作るお金が足りないから」。
待機児童が多くて保育園を待っている子どもが多いから保育園を作るためのお金を、言ってみれば保育園に入っている子どもの親からもらうという、よくわからない改革をやるということです。
政治のことは基本的に私は言いませんが、待機児童を減らすというところで、菅さんは子育て世代の支援をすると言いながら、子育て世代からお金を取っています。
不妊治療に保険を適用するという話もあって、それもすごくいいことだとは思うんですけども、どうしても日本の予算というものは当然ながら決まっています。年間100兆円ちょっとです。
今年は新型コロナウイルス感染症対策で既にそれを160兆円くらい使っていて、年間の税収は60兆円くらいしかないので、限られた中でやりくりしないといけないんですけども、人口減をストップさせるために子育てをしてもらうと言いつつ、子育て世代からお金をもらう。
お子さんが1人の場合、年収875万円はなかなかハードルが高いので超える人は少ないですが、2人合算して超えるとなると結構いると思います。この世代の人ががんばって共働きで働くと200万円がもらえなくなってしまう、という改革を今やろうとしています。
このような事実を知っていただいて、ご自身がどれを選択するのか、ですね。現代は情報を知らない人が損をする世の中です。これを知って875万6000円を超えるのと知らずに超えるのとでは大違いなので、この辺りもしっかりと考えていただきたいです。
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