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2022/3/7 更新
こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは、『現金がない時の相続税納付』。
すでに知っている人も多いと思いますが、相続税は『現金一括払い』が基本です。
現金を持ち合わせていない場合、どのように支払えばいいのでしょうか。
「遺産が不動産ばっかり。。」
「一括払いできる程の預金もないし。。」
「何か策はないの?」
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こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
この記事では全部で『5つの打開策』をご紹介。
ぴったりの方法があるか、チェックしてみましょう。
早速、5つの策をご紹介。
気になるものからチェックしてみましょう。
納付期限を延ばし、分割払いで納税するやり方。
支払いは年に一度、延長できる期間は5年~20年です。
審査を通過し、国からの許可が得られれば延納できます。
『分割払いで負担を減らしたい』という、個人都合の理由で選ぶことは出来ません。
現金納付が可能であれば即納付以外の選択肢はありませんので、注意しましょう。
全額の納付は厳しくとも、一部の支払いが可能であれば現金納付。
支払い可能かどうかは、『あなた個人の財産』も視野に入れ判断されます。
相続財産とあなた個人の財産からまずは支払い、残った部分に延納制度が適用されます。
なお、支払いに要求される金額は、生活や事業の活動に支障が出ない範囲です。
相続財産、自分が持っている個人所有の財産どちらでもOKです。
◇:国債
◇:地方債
◇:社債、有価証券(税務署長から認められたもの)
◇:土地
◇:建物
◇:船舶
◇:財団
◇:保証人の保証(税務署長から認められたもの)
以下のような『不適格な事由』に当てはまる財産は、担保にできません。
相続税の申告期限と同じ、『死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内』です。
修正申告や未分割申告後の納付期限については、別途決められます。
各申請書は国税庁HPからダウンロードもできます。
【 】はファイルNoです。
ダウンロードする際の目安にしてみて下さい。
◆・書類リスト・◆
【共通】
【必要に応じて】
相続税の申告期限から10年以内であれば、『物納』という支払い方法へ切り替えることもできます。
「先祖代々の土地を手放したくなかったが、状況が変わった」
「支払いが終わり抵当権が外れたので物納へ回したい」
こんな人は一度相談してみましょう。
物納については、次項で解説していますのでチェックしてみて下さい。
『物納』とは、現金の代わりに『モノ』で納付できる制度。
延納でも支払いが難しい場合にのみ申請可能です。
審査を通し、国からの許可を得られれば適用できます。
相続税全額が物納対象となるわけではありません。
まずは現金払いが可能かを検討。
次に延納での支払いを検討し、残った部分に物納制度を適用できます。
◇:国債
◇:地方債
◇:社債
◇:証券投資信託または貸付信託の『受益証券』
◇:株式
◇:土地
◇:建物
◇:船舶
◇:動産
以下のようなモノは、物納用にできません。
指定財産には第1~第3の『順位』が設定されています。
第1順位の財産が最も優先度が高く、無ければ第2、第3の順に財産を納めます。
自由に選択して物納できるわけではないので注意しましょう。
第1順位 |
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第2順位 |
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第3順位 |
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相続税の申告期限と同じ、『死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内』です。
修正申告や未分割申告後の納付期限については、別途決められます。
各申請書は国税庁HPからダウンロードもできます。
【 】はファイルNo.です。
ダウンロードする際の目安にしてみて下さい。
◆・書類リスト・◆
【共通】
【必要に応じて】
売って現金を調達する方法。
高値で売れそうな財産があれば、検討してみてもいいかもしれません。
また、土地や家などの不動産を売る場合は注意。
2つの手続きをし、『売れる状態』にしておくことがポイントです。
いわゆる、『相続登記』と呼ばれる手続き。
名義が故人の状態のままでは、売ることは出来ません。
買う人が名義人本人と契約する必要があるためです。
◆:法務局にて
◆:司法書士へ依頼
抵当権とは、『担保を設定できる権利』のこと。
返済ができなくなった時、抵当権が付いていれば金融機関は差し押さえることが出来ます。
実は、抵当権が付いたまま売却すること自体は全く問題はありません。
そのまま売りに出すことも可能です。
しかし、抵当権付きの不動産を買いたいと思う人はほぼ皆無。
売り手側の返済トラブルにより、不動産が差し押さえられる可能性があるためです。
リスクが大きい物件を、わざわざ買う人はいないでしょう。
現実的に考えると抵当権抹消は必須手続きです。
◆:法務局にて
◆:司法書士へ依頼
住宅ローンを組んでいる場合は、『完済』している必要あり。
Q:司法書士へ手続きを依頼するといくらくらい?
A:相場は1万円~2万円。
そこまで高額ではないため、依頼を検討してみても良いでしょう。
労力や時間を省きたい人にもおすすめです。
Q:売って得た『儲け』は課税対象?
A:納付する相続税額以上になった時は課税されます。
上回った部分に『譲渡所得税』が発生。
納付する相続税額が100万円に対し200万円で売れた場合、『100万円』が課税対象です。
Q:不動産はいつ売るべき?
A:なるべく早いタイミングで準備し、売るのがベスト。
相続税の納付期限までは『10ヶ月』しかありません。
相続発生後でも売却手続きは出来ますが、かなり慌ただしくなってしまいます。
必ず売れる保証もないため、早め早めの対応が得策です。
Q:どの不動産会社に売るべき?
A:複数の不動産会社へ査定依頼し、価格比較して決めましょう。
査定依頼は相続が発生する前からでも出来ます。
査定をしたらからといって必ず売却する必要はありません。
可能であれば今からでも準備し、余裕ある備えをしておきましょう。
◆:「思い入れがあって財産を手放したくない」
◆:「財産を売却するまでのツナギがほしい」
こんな人は一度、金融機関に相談してみましょう。
ただし、お金を借りるためには担保となる不動産が必要です。
遺産を受け取らない選択肢。
相続しないため、相続税とは無縁です。
借金や未払い金などのマイナス財産も断ち切ることができます。
まだ相続が完了していない人は、視野に入れてみても良いでしょう。
ただし、プラス財産も一切相続することは出来ません。
財産内容から判断してみましょう。
相続放棄の手続き期限は、『死亡を知った日の翌日から3ヶ月以内』。
相続の手続きの中でも早めの期限で設定されています。
相続放棄を考えている人は、早めに手続きを済ませてしまいましょう。
相続した財産が一定金額以下であれば、そもそも相続税はかかりません。
以下の計算式に当てはめ、チェックしてみましょう。
相続税が発生しないのであれば、現金問題で頭を抱える必要はありません。
また、相続税を削れる特例もあります。
しっかり制度を使えば、相続税を大幅カットすることも可能なのです。
ただし、あくまで特例を使える権利があるのであって、自動的に適用されるわけではありません。
何もしなければ相続税を減らすことは出来ないので注意しましょう。
気になる人は以下記事もチェックしてみて下さい。
なお、特例には条件があり少し複雑になっています。
確実に節税をしたい人は、『相続専門』の税理士へ相談することを強くおすすめします。
手持ちの現金がなくても、納税問題の解決策はいくつかあります。
状況に合った選択ができれば、窮地を脱することもできるでしょう。
ただし、延納や物納を使うためには条件があり、必ず使えるとは限りません。
遺産を手放す可能性や、別の策も視野に入れておかなければいけないのです。
また、もし納付期限までに解決できず遅れてしまった時はペナルティ。
罰金が科され、支払う相続税がUPしてしまいます。
解決どころか、事態が悪化するだけになってしまう可能性もあるのです。
◆:「自分の場合、具体的にどう対処すればいいか教えてほしい」
◆:「期限まであまり時間がないけど、どうしたらいいの?」
◆:「自分で解決できる自信がない」
不安な方は一度、『相続専門の税理士』へ相談してみましょう。
それぞれの事情に合わせた『オーダーメイドな対策』ができるため、効果的で質が高い備えが可能に。
この記事では紹介していない、別な方法が有効な場合だってあります。
また、支払う報酬がネックで踏み出せない人もいるかもしれませんが、ペナルティで支払う罰金は高額。
リスク回避できることを考えると、『割に合わない出費』とは感じにくいかと思います。
絶対に損をしたくない人や不安な人は前向きに検討してみましょう。
まずは、無料相談の利用からでOK。
信頼できそうであれば依頼し、しっかり対策をしていきましょう。
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