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2022/5/23 更新
こんにちは。相続税理士の天尾です。
今回のテーマは『生前贈与の課税対象額』。
生前早めに、財産を引き継がせたいと考えている人も多くいるでしょう。
死後に発生する相続トラブル回避にも役立つため、対策としても魅力ある方法の一つです。
ただし、生前の財産渡しには『贈与税』が絡んできます。
せっかく財産をあげるのですから、なるべく多く手元に残してあげたいですよね。
では一体、どのくらいの額を贈与したら贈与税が課税されるのでしょうか?
「贈与プランを立てる参考にしたい」
「お得に贈与できる方法はないの?」
▼
こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
また、本記事では贈与税と相続税の比較結果もご紹介。
生前か死後、どちらのタイミングでの財産渡しがお得になるのかを計算してみました。
気になる方は、併せてチェックしてみて下さい。
ずばりお答えしたいところですが、そもそも贈与税は贈与した金額に対して課税されるわけではありません。
『非課税枠』を除いた、残りの金額が贈与税の課税対象となるためです。
また、生前贈与には2つの方法があり、非課税枠も別。
どちらのやり方で、いくら贈与するのかで課税範囲が変わってきます。
それぞれの贈与方法については、ポイントや注意点もあります。
以下に簡単にまとめましたのでチェックしてみて下さい。
税率 | 控除額 | |
---|---|---|
~200万円 | 10% | - |
~400万円 | 15% | 10万円 |
~600万円 | 20% | 30万円 |
~1,000万円 | 30% | 90万円 |
~1,500万円 | 40% | 190万円 |
~3,000万円 | 45% | 265万円 |
~4,500万円 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
税率 | 控除額 | |
---|---|---|
~200万円 | 10% | - |
~300万円 | 15% | 10万円 |
~400万円 | 20% | 25万円 |
~600万円 | 30% | 65万円 |
~1,000万円 | 40% | 125万円 |
~1,500万円 | 45% | 175万円 |
~3,000万円 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
非課税枠は、『贈与された人』一人あたりの金額。
1人の人へ複数人で贈与する場合、『受け取った合計金額』で課税対象額を判断する必要があります。
『贈与した金額』が基準ではありませんので注意しましょう。
◆:例
①父が暦年贈与で60万円贈与
②祖父が暦年贈与で60万円贈与
A:贈与合計額は120万円となり、『10万円』が課税対象。
etc.
◆:契約中に贈与元が死亡した場合
→【残っている資金に『相続税』が課税】
◆:『相続人ではない孫』に贈与した場合
→【相続税の『2割加算』対象】
etc.
◆:資金をもらう人の年齢条件
→【『18歳以上50歳未満』へ】
◆:『相続人ではない孫』に贈与した場合
→【相続税の『2割加算』対象】
(令和4年3月31日以前の贈与については、『20歳以上』)
etc.
※特定障害者とは、以下のような方。
etc.
作成した贈与契約書に『確定日付』を付けてもらいましょう。
確定日付とは、『公証役場』で書面に押してもらえる日付印。
『記載している日付での書類の存在』を証明でき、改ざんされていないことが証明できます。
第三者が絡むことで、より信頼できる書面に。
費用は『700円』。
数百円で贈与契約書が強化できるのでオススメです。
例えば15年間、毎年の誕生日に可愛い孫のために110万円を振り込んだとしましょう。
暦年贈与の条件でいくと、贈与税は0円のハズですよね。
しかしこの場合、税務署側が贈与として認めない可能性はかなり高め。
『1,650万円を、最初から税を逃れつつ渡すためだった』、と判断されやすいやり方だからです。
暦年贈与が成立しなかった場合、1,650万円を一括で贈与したことになり課税。
一般税率では『520万円』、特例税率では『428万円』の贈与税が発生してしまいます。
そこで、ほんの少しだけ贈与税を納付します。
例えば115万円を暦年贈与した場合、贈与税は『5,000円』。
少額で『税納付の誠意』を示すことができ、不成立回避へ繋げることができるのです。
強制的なものではないですがかなり有効的な対策なため、ぜひ検討してみましょう。
◆・この先を読む前に・◆
贈与税 (特例税率) | 贈与税 (一般税率) | 相続税 | |
---|---|---|---|
100万円 | 0円 | 0円 | 10万円 |
200万円 | 9万円 | 9万円 | 20万円 |
300万円 | 19万円 | 19万円 | 30万円 |
400万円 | 33万5,000円 | 33万5,000円 | 40万円 |
500万円 | 48万5,000円 | 53万円 | 50万円 |
1,000万円 | 177万円 | 231万円 | 100万円 |
2,000万円 | 585万5,000円 | 695万円 | 250万円 |
自分で計算してみたい人は参考にしてみて下さい。
後半部には、今回の検証結果の計算詳細も記載してあります。
※ 基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
(今回の検証結果では、すでに差し引いた金額としています。)
基礎控除後の金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~200万円 | 10% | - |
~400万円 | 15% | 10万円 |
~600万円 | 20% | 30万円 |
~1,000万円 | 30% | 90万円 |
~1,500万円 | 40% | 190万円 |
~3,000万円 | 45% | 265万円 |
~4,500万円 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
基礎控除後の金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~200万円 | 10% | - |
~300万円 | 15% | 10万円 |
~400万円 | 20% | 25万円 |
~600万円 | 30% | 65万円 |
~1,000万円 | 40% | 125万円 |
~1,500万円 | 45% | 175万円 |
~3,000万円 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
基礎控除後の金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~1,000万円 | 10% | - |
~3,000万円 | 15% | 50万円 |
~5,000万円 | 20% | 200万円 |
~1億円 | 30% | 700万円 |
~2億円 | 40% | 1,700万円 |
~3億円 | 45% | 2,700万円 |
~6億円 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
【計算詳細】(抜粋①)
100万円
◆:贈与税(特例贈与)
= 非課税枠110万円以内のため非課税
= 0円
◆:贈与税(一般贈与)
= 非課税枠110万円以内のため非課税
= 0円
◆:相続税
= 100万円 × 10% - 控除額なし
= 100万円 × 0.1
= 10万円
【計算詳細】(抜粋②)
2,000万円
◆:贈与税(特例贈与)
=(2,000万円 - 110万円)× 45% - 265万円
= 1,890万円 × 0.45 - 265万円
= 585万5,000円
◆:贈与税(一般贈与)
=(2,000万円 - 110万円)× 50% - 250万円
= 1,890万円 × 0.5 - 250万円
= 695万円
◆:相続税
= 2,000万円 × 15% - 50万円
= 2,000万円 × 0.15 - 50万円
= 250万円
例えば、親と配偶者が贈与した場合など。
計算方法が少し変わってくるため、注意が必要です。
具体的な計算方法については、国税庁HPにて確認できます。
そこまで難しい計算ではありませんので、気になる人はトライしてみましょう。
非課税枠をうまく取り入れれば、生前の財産残しもスムーズに。
計画的な対策をし戦略的なプランを立てれば、より安心で満足できる贈与が達成できるでしょう。
とは言え、一歩やり方を間違ってしまうとせっかくの贈与が台無しになってしまう可能性も。
さらに事情によっては、贈与以外の方法と相性が良い場合もあります。
自分の相続には、『どんな選択肢があり』、『どんな対策が有効なのか』?
気になる方や不安な方は、専門家へ相談してみるのが良いでしょう。
的確なアドバイスがもらえ、手続き進行も楽になります。
相談先でお困りの方、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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