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2022/1/25 更新
こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは『寄与分』。
相続金額を多めに要求できる寄与分制度。
生前に故人のために身を削っている人にとっては、検討してみたい相続対策ですよね。
「亡くなった父の介護を頑張った」
「遺産相続は多めでもいいのでは?」
「ところで、寄与分の相場ってどのくらい?」
▼
このような方は、ぜひ読んでみて下さい。
生前の苦労や努力がお金となって戻ってくれば、報われた気持ちにもなります。
では、実際に増やせる金額は?
条件や注意点は?
この記事を参考に、対策をしていきましょう。
話し合いで解決できない場合は、裁判所経由で決めることも出来ます。
ただし、根拠となる資料の準備が必要です。
詳しくは記事後半の、『【有効な証拠】裁判所で寄与分主張するなら』もチェックしてみて下さい。
STEP①【話し合い】
◆:まずは、相続人同士で話し合ってみます
◆:すでに話し合う余地がない場合は、最初から裁判所を通してもOK
STEP②【調停】
◆:家庭裁判所へ調停の申立てをします
◆:裁判所の調停委員を介し、話し合いを行います
STEP③【審判】
◆:調停が不成立だった場合、自動的に審判へ移行
◆:寄与分の金額は、裁判官の判断にゆだねられます
STEP④【即時抗告】
◆:審判結果に不満があれば、高等裁判所へ申立てをします
◆:申立ての期限は、『審判の告知を受けた日の翌日から2週間以内』
◆・この先を読む前に・◆
故人の財産があるのは、『相続人のおかげ』。
このように判断できる貢献でなくてはいけません。
寄与分に値する行為は5タイプ。
いずれかに当てはまっていれば、ここでの条件はクリアです。
貢献タイプ | 例えばこんなこと |
---|---|
【事業従事】 |
|
【出資】 |
|
【療養看護】 |
|
【扶養】 |
|
【財産管理】 |
|
◆:【こんな出資】はNG
◆:【こんな療養看護】はNG
◆:【こんな扶養】はNG
寄与分主張は、相続人だけが認められる制度。
相続人の妻がいくら貢献していたとしても、主張することはできません。
令和から取り入れられた『特別寄与料制度』。
『相続人ではない故人の親族』が、相続人に対して請求できる制度です。
条件は基本的に寄与分と同じ。
ちがう点は以下2つです。
①:【相続人でない親族であること】
親族とは、『6親等内の血族』、『配偶者』、『3親等内の姻族』のこと。
例えば、以下のような人たちです。
◆:故人の両親
◆:故人の祖父母
◆:故人の兄弟姉妹
◆:故人の甥&姪
◆:故人の孫
◆:故人の子どもの配偶者
◆:故人の兄弟の配偶者
◆:故人の甥&姪の配偶者
◆:故人の配偶者の両親
◆:故人の配偶者の祖父母
◆:故人の配偶者の兄弟姉妹
◆:故人の配偶者の甥&姪
②:【『療養看護』または『その他の労務』をしていること】
生活費や資金の援助による貢献は認められません。
例えば以下のような遺言書が見つかった場合、寄与分はどうなるのでしょう。
・遺言書・
【相続財産】5,000万円
以下のとおり、財産を分けるものとする。
◆:妻へ50%(2,500万円)
◆:長男25%(1,250万円)
◆:次男25%(1,250万円)
ずばり、寄与分は0。
遺贈だけで全財産が無くなってしまい、寄与分の枠が残らないためです。
ただし、遺言書に書かれていない財産については寄与分を主張できます。
寄与分は遺贈を省いた範囲でのみ有効。
他の相続人から請求することもできないので、注意しましょう。
遺留分と寄与分の優先順位については、決められていません。
しかし裁判の実例を見ても、寄与分が優先的に考慮されることは無いでしょう。
まずは遺留分、第二に寄与分。
あくまで寄与分は、最後に残った財産内で考慮されるのです。
◆:勤怠状況や給与について分かる資料
etc.
◆:財産の動きが分かる資料
etc.
◆:故人の介護の必要性が分かる資料
◆:1日の介護時間や介護内容が分かる資料
etc.
◆:資金援助していたことが分かる資料
etc.
◆:財産の維持・発展・処分などの事実が分かる資料
etc.
故人に尽くした人のための寄与分。
少しでも優遇された遺産分割ができれば、頑張りが認められた気持ちになれるかもしれません。
しかし、話し合いで円満に解決できるケースは決して多くはありません。
寄与分を認めてしまうと、他の相続人の財産の取り分が少なくなってしまうからです。
お金が絡む分、なかなかうまくはいかないでしょう。
◆:「寄与分を主張したいけど不安」
◆:「裁判沙汰にするのは、何だか気が引ける」
相続での悩み、アドバイスが必要な方は一度専門家へ相談してみましょう。
相続対策は、何も寄与分が全てではありません。
寄与分主張を頑張るよりも、別の方法が得策な場合だってあります。
視野を広げ、最善な対策を見つけてみてはいかがでしょうか?
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