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2022/2/20
こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは、『美術品と相続』。
遺産になる美術品と聞くと、何百・何億万円レベルのものを想像してしまいますよね。
高価な作品であれば、課税されることは想定できます。
では、庶民でも買えるような『お手頃美術品』にも相続税はかかるのでしょうか?
「親の美術品コレクションがあるけど。。」
「高いものじゃないし、申告するまでもない?」
「美術品があること、税務署は知ってるの?」
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こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
間違った認識のまま、相続手続きを進めるのはとてもリスキー。
税務調査の対象となり、ペナルティとして罰金が発生してしまう可能性が高まるためです。
また、美術品を相続したくない人も中にはいるかもしれません。
そんな人のために、『その他4つの選択肢』もご紹介。
相続以外の方法が得策なこともありますので、参考にしてみて下さい。
身内の美術品はどう扱うべきか?
『だろう申告』はせず、しっかり理解した上安全な申告にしていきましょう。
一般的に、以下のようなものが美術品とされています。
◆:絵画
◆:浮世絵
◆:書道
◆:彫刻
◆:陶芸
◆:工芸
「〇〇円で買ったから、たぶんこのくらいだろう」
購入金額だけでは、価値を決めることはできません。
評価材料にはなりますが、誤った評価額になってしまうでしょう。
また、素人による評価額は信憑性がないため、税務署を納得させられません。
場合によっては申告ミスと判断され、罰金支払いの可能性も。
説得力のある申告内容にできるよう、しっかり【査定書】を入手しましょう。
美術商や骨董商など、美術品の見識に長けているプロへ依頼する方法。
何百万円もするような高価な美術品は、専門家に査定してもらった方が良いでしょう。
高価な美術品の評価は、より高度な見極めスキルが必要とされるためです。
◆:本物か偽物かを見極める必要がある
◆:高価な美術品は1点ものが多く、市場価格を参考にした評価が困難
◆:芸術的観点からの、合理的な評価も必要
etc.
専門性の低いところでの査定は、絶対NG。
低く査定された場合、相続税不足が原因で罰金の支払いが発生してしまうためです。
査定料はやや高めですが、リスクを考えると安く済むでしょう。
また、高価でない美術品であっても、厳格に査定したい人もいるかもしれません。
もちろん、精密であることに越したことはありませんが、買った価格より査定料の方が高くつく可能性もあります。
よく理解した上、依頼してみましょう。
【例】金を使っている美術品の場合:
◆:『使用されている金のグラム』の価格
◆:作者
◆:人気性
◆:希少性
◆:技術
◆:美術品の状態
etc.
なお、相続財産は『時価』で評価することになっています。
相続する美術品の価格も時価。
時価は『相続開始日』であり、申告日ではありません。
土地や建物と違い、登録や名義がない美術品。
一見、申告しなくても分からなそうですよね。
結論から申し上げますと、『バレます』。
美術品の販売業者は、だれに売ったのかを税務署へ申告するようになっているためです。
美術品を購入した人すべてが、必ずしも税務調査のターゲットとなるわけではありません。
数万円程度の美術品の申告がモレていたとしても、もしかしたら何も起きずに終わるかもしれません。
しかし、調査されない保証は全くありません。
税務署は販売店から、顧客リストなども入手できます。
怪しまれれば調査の対象となり、容易に情報入手できてしまうことをよく覚えておきましょう。
億単位での資産があるような、いわゆる富裕層はとくに注意。
税務署独自のデータベースなどもあり、厳重にチェックされているようです。
隠ぺいなどはまず無理。
バレればペナルティが科され、多額の罰金を支払わなければいけないでしょう。
美術館や博物館へ寄付する選択肢。
所有権は消失しますが、多くの人の目に付く機会を作ることが出来ます。
また、寄贈した美術品は『相続税の非課税対象』。
相続税の申告期限までの寄贈を条件に適用されます。
ただし、美術品だからと言って必ずしも寄贈できるわけではありません。
美術館や博物館へ問い合わせ、受け入れ可能かを確認しましょう。
所有権は渡さずに、保管や管理を美術館に任せる方法。
高い価値がある『特定美術品』にのみ認められている制度です。
美術館と個人との、『寄託契約』で成立。
寄託することで得られるメリットは大きいため、検討してみましょう。
デリケートなものも多い美術品。
例えば絵画の場合、気温や湿度の管理を怠るとカビが生える原因になってしまいます。
美術品を熟知している美術館へ任せておけば、管理面も安心です。
すでに寄託してある美術品を相続した場合、相続税の80%を先延ばしにできます。
条件によっては『免除』も可能。
反面、『猶予終了』する場合もあります。
相続税の納付対策として考えている人は注意しましょう。
◆・【猶予されていた相続税が『免除』になる条件】・◆
◆・【『猶予終了』になる条件】・◆
以下のような場合、猶予されていた相続税を支払わなければいけません。
また、『利子税』の支払いも発生します。
etc.
相続税の納付は原則現金。
遺産の大部分が不動産などを占めている場合、現金での支払いが困難になるケースがあります。
『物納』はそんな時のための救済措置。
お金の代わりに、『モノ』で納めることができる制度です。
現金納付が苦しければ、美術品払いでもOK。
ただし、差し出すモノには優先順位があります。
優先度が高いモノから差し出す必要があるので注意しましょう。
【第1順位】不動産、上場株式
【第2順位】非上場株式
【第3順位】動産
美術品は動産に含まれ、優先順位は『第3位』。
ただし特定美術品であれば、優先順位は『第1位』となります。
思い切って処分するのも一つの選択肢。
少し寂しい気もしますが、事情によっては得策であり決して悪い方法ではありません。
相続前に処分できれば、相続がシンプルになるメリットも。
スムーズな相続が達成できるかもしれません。
サクッと売りたい人におすすめ。
店頭への持ち込みが難しい人は、『出張買取』なども検討してみましょう。
ネット経由で売りたい人におすすめ。
手軽さ抜群です。
オークション形式で売りたいけど、個人間でのやり取りが不安な人におすすめ。
仲介してくれるため安心です。
◆:【作者】レオナルド・ダ・ヴィンチ
◆:【価格】約4憶5,000万米ドル(約518憶1,500万円)
◆:【作者】ウィレム・デ・クーニング
◆:【価格】約3億ドル(約345憶4700万円)
◆:【作者】ポール・セザンヌ
◆:【価格】約2億5,000万ドル(約287憶9,000万円)
2022年2月現在
美術品の対処法が分かっていれば、相続が起きても慌てることはありません。
他の方法での手続きを考えている人も、早めに手を打つことでより確実で安心な対策ができるでしょう。
相続税の申告は期限付き。
労力や時間は極力控えて行いたいものですよね。
◆:「やっぱり自分で申告するのは不安」
◆:「美術品以外の遺産についても対策したい」
◆:「最大限に節税して遺産を相続したい」
相続の悩みや不安がある人は、一度専門家へ相談してみましょう。
質の高い備えには、やはり知識は必要不可欠。
それぞれの事情に合わせた、オーダーメイドな対策に勝るものはありません。
お望みの相続にしたい場合は、専門家に頼ることをおすすめします。
また、相談先にお困りなら『ワンストップサービス』が利用できる事務所がおすすめ。
あらゆる専門家と連携しているため、様々な問題を柔軟に解決できるでしょう。
複数の専門家を行き来する手間が省ける点も、おすすめポイントです。
まずは無料相談からの利用でOK。
信頼できそうであれば正式に依頼してみると良いでしょう。
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