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2022/4/6
こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは『相続廃除』。
所有している財産は死後、相続人へと受け継がれます。
しかし、いろんな理由から自分の財産を渡したくない人もいるでしょう。
どうにかして一部の相続人だけを省き、相続させる方法はないのでしょうか?
「どうしても遺産を渡す気持ちになれない人がいる」
「廃除ってよく見るけど、どんな制度?」
▼
このような方は、ぜひ読んでみて下さい。
廃除を行使すれば、一気に思い描く相続に近づけるかもしれません。
相続人で悩んでいる人は、知っておくべき制度の一つでしょう。
また、廃除と似ている『欠格』についても簡単に解説。
違いが分かるようにざっくりまとめてみました。
併せてチェックし、理解を深めてみて下さいね。
この記事を参考に、納得できる財産遺しを達成させましょう!
以下のような理由が無ければ、廃除することはできません。
・・例えばこんなケース・・
◆:ひどい暴力や精神的虐待を繰り返し受けている
◆:第三者がいる前で誹謗中傷を受けた
◆:相続人の浪費やギャンブルが原因で、多額の借金を支払わされた
◆:財産を勝手に使い込まれた
etc.
〇 配偶者
〇 子や孫
〇 親や祖父母
× 兄弟姉妹
◆:廃除された人は、戸籍に記載される
◆:廃除の決定は裁判所による審理で決まるため、必ず認められるわけではない
『遺言書』で対策しましょう。
相続させたくない人への遺産分配を少なくしたりゼロにするなどし、遺産分けを設計します。
兄弟姉妹には遺留分がないため、他の相続人が請求されることはありません。
ただし、『有効な』遺言書を作成しなければ意味がありません。
また、トラブルへ発展する可能性も大。
不安な人は一度、専門家へ相談してみるのが良いでしょう。
廃除手続きは、以下いずれかの方法を選び進めていきます。
『被相続人が自分で』生前に手続きする方法。
今すぐに実行することができます。
『遺言執行者』が死後に手続きする方法。
遺言書で廃除について指定しておくことで、相続人除外を実現させます。
遺言執行者は信頼できる人にあらかじめお願いしておくのが良いでしょう。
指定がない場合、相続人が遺言執行者の選任を裁判所へ申立て。
選ばれた人が遺言どおり、廃除の手続きを進めていきます。
遺言書による廃除手続きには、『信用度』が欠かせません。
確実で安心な廃除をしたいなら、弁護士などの専門家に依頼してみるのも良いでしょう。
廃除は何かと争いに発展しやすく、裁判が絡んでくる可能性が非常に高くなります。
弁護士であれば専門的な手続きもそのままお願いできるため、安心でしょう。
また、身内に信頼できる人がいない方にもかなり有効な選択肢。
安全性を重視する人は早めに相談してみましょう。
以下4つのstepを被相続人、または遺言執行者が行います。
必要書類を揃え、申立て。
『被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所』で手続きします。
・・【生前廃除】必要書類&費用リスト・・
◆:申立書 ※1
◆:被相続人の戸籍謄本
◆:廃除したい相続人の戸籍謄本
◆:収入印紙800円
◆:連絡用の郵便切手 ※2
※1(裁判所にあり)
※2(必要な金額は家庭裁判所によって違うため、要問い合わせ)
・・【遺言廃除】必要書類&費用リスト・・
◆:申立書 ※1
◆:被相続人の除籍謄本
◆:廃除したい相続人の戸籍謄本
◆:遺言書のコピー、または遺言書の検認調書謄本
◆:執行者選任の審判書謄本 ※2
◆:収入印紙800円
◆:連絡用の郵便切手 ※3
※1(裁判所にあり)
※2(遺言執行者が裁判所で選任された場合)
※3(必要な金額は家庭裁判所によって違うため、要問い合わせ)
廃除すべき相続人に該当するか、主張や証拠に基づいて家庭裁判所が判断します。
『審判書』が送られてきたら廃除決定です。
・・証拠が必要なこともある・・
◆:虐待を受けた時に負ったケガの写真
◆:メールのやり取り
◆:診断書
◆:預貯金を使いこまれた口座の通帳
etc.
『確定証明書』とは、不服申し立てなどにより判決が覆らないことを証明する書類。
判決が確定された後に申請することができます。
次の手続きで必要となるため、廃除が決定されたら入手しておきましょう。
審判の確定日から『10日以内』に役場で手続きをします。
廃除された人の戸籍に廃除について記載され、手続き完了です。
・・届出に必要な書類リスト・・
◆:『推定相続人廃除届』 ※1
◆:step2:『審判書』
◆:step3:『審判確定証明書』
◆:届出人の印鑑 ※2
※1(役場窓口から入手。HPからダウンロードできることもあります。)
※2(被相続人、または遺言執行者)
事情が変わり、廃除した相続人を元の状態に戻したいと思う人も出てくるかもしれません。
廃除は家庭裁判所へ取消し請求すれば、解除可能。
生前であれば被相続人が、死後であれば遺言執行者が手続きをします。
被相続人が亡くなった後の解除決定でも、問題なく適用されるので覚えておきましょう。
なお、解除するための理由は問われません。
極端な話、廃除対象となる行為が続いていたとしても請求すれば成立。
あくまで被相続人の意思を尊重した制度となっています。
以下のような行為をした相続人は、相続権を失います。
・・例えばこんなケース・・
◆:遺産を多く貰えるよう、他の相続人を殺害した
◆:相続を早めるため、介護が必要な被相続人を放置し衰弱させた
◆:被相続人を刃物で脅し、自分に有利になるような遺言書を書かせた
◆:遺言書を発見したが自分に不利な内容だったので、こっそり捨てた
◆:偽の遺言書を作成し、有利な遺産分けにしようとした
etc.
【廃除】 | 【欠格】 | |
---|---|---|
適用対象 | 遺留分を持っている相続人 | 全ての相続人 |
適用条件 | 被相続人への非道な行為 | 相続への不正行為 |
遺留分 | 消滅 | 消滅 |
手続き | 要 | 不要 |
撤回 | 可 | 不可 |
戸籍記載 | あり | なし |
本人が欠格者であることを認めず、相続を主張してくるケースもあります。
当然、相続権がない欠格者を除いて登録することが正しいのですが、法務局に証明しなければいけません。
ところが、廃除者のように戸籍で確認できないため、証明するのが思いのほか困難。
証明できる書類としては2種類です。
◆・欠格者を証明する書類・◆
1: 本人に『相続欠格証明書』を書いてもらう
2: 他の相続人全員で訴訟し、裁判判決後に『確定証明書』を入手する
※(刑事罰で欠格となった場合は、『刑事裁判時の確定証明書』でもOK)
本人に証明書を書いてもらうのが手っ取り早いですが、協力的な態度は期待できません。
裁判での解決方法が濃厚になるため、訴訟の準備も必要になってくるでしょう。
欠格者による問題で相続手続きに支障が出る可能性がある人は、弁護士などの専門家へ相談することを強くおすすめします。
「廃除できる理由に当てはまらなかった。。」
「だけど気持ち的にどうしても財産を渡したくない。」
こんな人は『遺言書』で対策をしましょう。
遺言書は財産を遺す側にとって、強力な助っ人。
遺産分けにダイレクトに反映されるため、真っ先に取り入れたい対策の一つです。
ただし、いくつか注意点もあります。
不安な人は、専門家へ相談しながら作成してみると良いでしょう。
◆・遺言書で対策する際の注意点・◆
廃除制度は、望んでいない相続を防ぐための救済措置。
日頃の行いが良くないにも関わらず、遺産だけ持っていかれるなんて腑に落ちませんよね。
しかし、廃除成立には『立証できる証拠』が必要不可欠。
裁判所に相続人の酷い行いを証明できなければ、遺産受け取りを阻止することは難しいでしょう。
◆:「どんな証拠を集めればいいの?」
◆:「どうにかして廃除を成立させたい」
◆:「他にどんな対策をすれば、自分が望む相続に近づけるの?」
不安な方は一度、専門家へ相談してみるのが良いでしょう。
身内や家庭内トラブルの証拠は集めにくく、計画的な対策が必要なことも。
合理的な立証スキルも求められるため、ハードルが高い個人解決はあまりお勧めできません。
1%でも成立の確率を上げたいのであれば、専門家に頼る選択肢を前向きに検討してみましょう。
もし相談先に困っているなら、『ワンストップサービス』が利用できる事務所がおすすめ。
各ジャンルの専門家が連携していることで、様々な悩みに対応してもらえるためです。
例えば、裁判対応も相続対策も窓口1つで相談OK。
複数の専門家を行き来する煩わしさからも解放されるため、不要なストレスを感じずに対策を進められるでしょう。
まずは費用がかからない、無料相談の利用から。
無料相談をしたからといって必ず契約する必要はありません。
印象が良く信頼できそうな相手であれば、正式に依頼をし対策をしていきましょう。
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