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「鬼滅の刃」制作会社が告発1億3,900万円脱税容疑を税理士が詳しく解説します【超古典的手口】

先日、最終回を迎えた「鬼滅の刃」。こちらの続編について速報が入ってきたのでお届けしたいと思います。

 

速報というのが、作者の吾峠さんや主人公の炭治郎にはまったく関係のない事件。もういい迷惑だと思うんですね。アニメ「鬼滅の刃」を制作しているufotableという会社が脱税で告発されました。

古典的な手法ということですので、なぜ見つかったのかということも含めて、狙われやすい業種についても税務署が発表しているので説明していきたいと思います。

 

同じ内容を下記の動画でもお話ししています。

まず1つめに、税務調査で狙われやすい職種。これは国税庁が公表しています。3~4年前のデータにはなりますが、1位がバー・クラブ。夜の接客を伴うお店です。2位が大衆居酒屋・小料理店。3位以下は建築など。

いわゆる日銭が入ってくる現金商売というのは脱税もしやすい、そして税務調査で狙われやすいということを、皆さんまず知っておいてください。

 

ufotableについてもアニメの制作会社でありながら、舞台となったのはufotableが経営しているカフェ。カフェの売上を除外して、それが見つかったということです。

見つかった原因としては、国税庁が社長の自宅に行ってあっちこっち探したら、ハイ金庫がありました、ハイ開けてください、ハイ3億円ありました、ということのようです。売上を除外したのが4億6000万円で、脱税総額が1億4000万円ぐらいということで、発表になっています。

 

告発された場合を「脱税」と言います。徳井さんの場合は脱税とまでは言っていないのは、告発されていない・事件にされていないからです。税務署が告発の手前のところで金額やそれまでの対応を見て、告発まではしなかった。徳井さんも脱税ではあるんですが、そこまで言われていません。

今回ufotableは告発されている・事件とされているので、かなり大きなことだと思います。はっきり言いますが、今時は脱税をすると見つかります。しかも今回のufotableは古典的なやり方です。

 

お金をどうしたかと言うと、さっき申し上げたようにカフェの売上から除外しました。見つかって当然です。税務調査をするときは、どういうところで見つけるか・見つかるかという話をします。

相続税のタンス預金の洗い出しをするとき、私もお客さんが明らかに隠しているのを見抜かないといけません。お客さんがたとえうそを言ったとしても、うその申告書を作りたくないので確認していきます。

 

通帳の履歴を見たら大体一発で分かります。一番簡単です。通帳を見て、○万円、○万円、○万円とあって、それを合計していったら引き出した金額が、たとえば「年500万円です」という風にすぐに分かるんです。

今回、2年か3年かで億単位の売上を除外しているということは、それなりの規模のカフェだということです。そのカフェで、おそらくですが、今時、手書きの伝票は使っていないと思います。エアレジか普通のPOSレジをやっているはずです。そこにデータがほぼ100%残っています。

 

大阪の店らしいですが、その売上を毎日毎日、社長が現金を回収しているとも思えませんよね。普通に考えたら、そのレジで打った10万円の売上は、会社のどこかの通帳に入れていると思うんですね。

社長が別の支店で貯まってきたお金をドンと抜きました、その積み重ねが金庫に入っていました。これは一発でバレます。おそらく国税庁・税務署側からしたら「こんな簡単な調査はありません」というくらい簡単だと思います。

 

国税庁が発表している脱税現場の写真というのがいくつか流れていると思うんですが、金庫に入れておくのは古典的です。あとは、これも発表されていますが、米びつの中。米びつの米の底に、袋に入れたお金を敷き詰めていたりするんです。

ほかにはポットの中。入れる気になれば500~600万円ぐらい入るのかな。あと、こういうのはすぐに分かります。子供がエロ本を隠しているのではないんだからと思うんですが、浴室の点検口など。

 

そういう風にパッと入れることができる場所の次に多いのが、二重・仕掛けです。何かが二重扉になっている、二重底になっている。キッチンの床下収納を外すとその下に敷いてあったり。

特注のものもあります。押し入れの底を二重にして、隠しボタンを押すと下から金庫がせり上がってきて、開けたら金塊が入っているとか、ロッカーを二重にしているとか。

 

なかなかすごいのが土木工事の会社。土木の専門家だからできると思うんですが、庭に花壇を作って木を植えてあって、その木を退けたら袋に入ったお金があるというものです。こういう感じのことを見ていると結構おもしろいです。

脱税方法を教えてくださいと言われて教える訳がないんですが、こんな簡単なやり方で脱税をしたら絶対にバレます。銀行を通すとこうやってバレるからと言って、現金の授受をする業種の人が、さっき述べたように脱税で国税庁に狙われる1位2位に入っています。

 

たとえば飲食店で1000円で水割りを出しました、1000円をもらいました、ポケットに入れました。これはバレないかもしれませんが、違和感というのは決算書などを見たら絶対に出てくるんです。

今回のufotableについてもそれなりの会社規模だと思うので、帝国データバンクなどのデータ会社がそれなりのものを出しているでしょう。従業員数も200人ほどらしいです。

 

そうすると、売上規模と利益を見ていくと、そこからでもおそらく違和感は出てくると思います。億単位で隠しているのですから。決算書を見ても数字の辻褄がいろいろ合わないでしょう。通帳を見れば一発です。

こういう言い方は語弊があるかもしれませんが、おそらく今回も、通帳を見て「こんなに簡単に億単位の脱税を見つけた」と担当の税務署員も大喜びだったのではないでしょうか。

 

こういうこともあるので、皆さんもしっかりと帳簿をつけて、うその報告をしたらダメだということを知っておいてください。

脱税と節税は違います。節税は合法的にやることです。皆さんはぜひいろんな動画や記事をごらんになって、節税をしてください。脱税はダメです。

 

今回ufotableは1億4000万円ほどの税金を納めなければならなかったのですが、脱税をすると1.4倍くらい払わないといけません。普通に納めていたら1億4000万円で済んだのが、2億円以上払わなければならなくなります。

徳井さんの例でも分かるように社会的な制裁をものすごく受ける時代なので、これで会社が傾く可能性というのが出てくると思います。

 

そういうことがないように、動画や記事をごらんになって税金の勉強・お金の勉強をして、節税はする・投資もする・豊かな人生にするということで、皆さんは学んでいっていただきたいと思います。

今回のことは反面教師ということで、こういうことをすると制裁があるということで知っていただければと思います。

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